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大山哲と本。

大山哲。本が大好きです。オススメの本や読みやすい本を紹介していきます。

大山哲のこの一冊!ライ麦畑でつかまえて

男性作家

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ライ麦畑でつかまえて:Amazon

 

こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊はライ麦畑でつかまえてです。

 

著者は、J.Dサリンジャーという、有名な本です。読んだ事がない人でも、タイトルは聞いた事があるのではないでしょうか。

主人公のホールデン・コールフィールドは、病気の治療のため入院中です。病院のベッドで去年のクリスマスの事を語るというところからストーリーが始まります。高校を退学になると決まってから、寮を飛び出すまでの3日間の事を話していきます。

高校生だったホールデンは、寮で生活をしていましたが、成績が悪いために退学となってしまいます。退学する日に観戦予定だったフットボールの試合には行かず、歴史教師のスペンサー先生の家に挨拶に行きます。

この時、校長から「人生は競技と同じだからルールに従うべき」と言われた事を、スペンサー先生に話します。先生は校長を支持しますが、ホールデンはわかっていながら内心は「クソくらえ」と思っています。

寮に戻り読書をしていると、ルームメイトに邪魔をされます。その後ケンカとなってしまい、ホールデンは寮を飛び出します。この時「がっぽり眠れ低脳野郎ども」と悪態をつくところもホールデンらしいです。

 

その後たどり着いたホテルに変態がいたり、エレベーターで出会った売春婦を部屋に読んでひどい目にあったりと散々な夜を過ごします。16歳の少年にしては、かなり破天荒ですが、そんなホールデンには唯一の理解者がいます。

10歳の妹フィービーは、ホールデンのよき理解者でした。ホールデンにはもう1人アリーという弟がいましたが、アリーは既に死んでしまっています。フィービーに死んだ今もアリーの事が好きだと話すと、妹はそれを認めようとせず喧嘩になります。

ホールデンは家を飛び出し西部に行こうとしますが、フィービーは一緒にいくと言い、また喧嘩になります。そこに雨が降ってきていろいろあったホールデンは西部に行く気をなくし、結局フィービーとも仲直りをして、雨の中回転木馬に乗るフィービーを見て幸せな気持ちになるところで話は終わります。

 

大山哲は、昔この本を一度読んでいます。しかし若かった大山哲には、この本の良さがわからず、わけがわからない本という印象を持っていました。でも年齢を重ねてから読み直してみると、昔は理解できなかったホールデンの気持ちが理解できるようになった自分に気づきました。一見めちゃくちゃな事ばかりして、暴言ばかり吐いているけど、実は繊細で傷つきやすい優しい少年なのです。

一度読まれた方も、もう一度読み直してみると新たな発見があるかもしれません。

大山哲のこの一冊!チーズはどこへ消えた?

男性作家

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チーズはどこへ消えた?:Amazon

 

こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊はチーズはどこへ消えた?です。

 

著者はスペンサー・ジョンソンという人です。心理学の学位を持つ医師で、他にもいくつかの著書があります。世界47カ国で翻訳され、累計4,600万部というところにも注目です。発行されたのはかなり前ですが、今になって読みたくなった一冊でもあります。

迷路の中に住む2匹のネズミと2人の小人が登場します。迷路をさまよいながらチーズを探すのですが、この本の中ではチーズはただの食べ物ではなく、人が追い求める物として描かれています。

 

ある日、突然チーズがなくなってしまいます。ネズミは本能で新しいチーズを探しに出かけますが、小人はもしかしたらチーズが戻ってくるかもしれないと動きません。しかし時間が経ってもチーズが戻ってこないので、小人の1人はチーズを探す旅に出かけるのです。

 

この本が伝えようとしているのは、チーズは成功や幸せという物のシンボルであって、消えてしまったら待っているのではなく、探しに出る、つまり行動に移す事が大切だとしています。

幸せな日常を送っていると、小さい変化に気づかない事があります。しかしいつか大きな変化が起きた時に、小さい変化に気づいていればその時に適切な対応ができたと後悔するかもしれません。そうならないよう注意しようという意味あいも込められているように思います。

 

新しいチーズを探しに出かけた小人の1人は、本の中で数々の格言を壁に書いていくところが出てきます。大山哲が気に入ったのは、「古いチーズに早く見切りをつければ、それだけ早く新しいチーズがみつかる」という格言です。

今の生活に満足しているとそれを幸せに思い、しがみつきたくなってしまいます。でも新しい何かが待っているとしたら、怖い気もしますが思い切って飛び出して行けば、新しい幸せが見つかるかも知れない、というところには大いに共感できました。

実はこの本には、迷路の話以外に、クラス会での話し合いと、クラス会の話と迷路の話を聞いた後のデスカッションも含まれています。クラスで席替えをする時は、今の席のままで良いと思ったり、新しい席に不安を覚えたりするものですが、これは迷路にしがみついた小人に当てはまります。


大山哲が感じたこの本の面白いところは、迷路の物語を読んで、真っ先に行動したネズミと、遅れたもののあとから行動した1人の小人について、最後まで動かなかった小人の事を考える機会を与えているところです。

大山哲のこの一冊!国家の品格

男性作家

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国家の品格:Amazon

 

こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊は国家の品格です。

 

著者は藤原正彦です。タイトルや表紙を見ると何やら小難しい本のようで、敬遠してしまう人も多いかもしれませんが、とても深い内容で面白いというのが、率直な感想です。

仕事で世界中を飛び回っている人は、外国で日本の良さを再認識する事が多いと言います。これは日本には、情緒と形の文明があるからであって、国際化がヨシとされる傾向の中で、古きよき日本が徐々に失われつつある事を危惧している内容となっています。

日本人として生まれたからには、当然日本語は話せますが、英語が話せると頭がいいとか、カッコイイという印象を持ってしまいます。インテリアや生活雑貨も、外国製の物をカッコイイと思う傾向があります。これは悪い事ではありませんが、日本の事をよく知りもせずに、外国を褒め称えるのは、大山哲もあまりスマートとは思えません。

海外進出を果たせば、成功者や勝ち組ともてはやされるのも事実ですが、日本人である事に誇りを持ち、情緒を持ち、日本人ならではの武士道精神を忘れないという事も大切に思えます。どこにいても日本人である事に誇りを持ち、自信を持って行動する事が、国家の品格を維持する事につながるのです。

 

世界にはたくさんの国がありますが、日本人が外国に行った時、なんとなく日本人である事や、英語がうまく話せない事に引け目を感じてしまうという人は少なくありません。でも日本で育ったのですから、英語が話せなくても何も恥じる事はありません。

確かに英語は世界共通語となっていますが、言葉はあくまでもツールの一つに過ぎません。例えば日本人は外国からの観光客に話しかけられた時、一生懸命知っている限りの英語を使い、身振り手振りも交えて説明しようとしますが、外国では当然のように母国語を使い、わからない時には呆れたような顔をされる事があります。

もちろん中には親切な人もいて、言葉が通じないとわかると、通じないなりになんとか力になろうとしてくれる人もいます。全体的に日本人が外国人に優しく協力的なのは、これこそ情緒があるからではないでしょうか。

 

今は義理や人情、武士道精神を笑う人もいますが、大山哲はこれこそが日本人が持つべき物であり、忘れてはいけない物、これが国家の品格につながるのではないか、とこの本を読んで強く感じました。日本人として生まれたのですから、日本にしかない良いところはこの先も忘れずにいたいものです。

大山哲のこの一冊!頭がいい人、悪い人の話し方

男性作家

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頭がいい人、悪い人の話し方:Amazon

 

こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊は頭がいい人、悪い人の話し方です。

 

著者は樋口裕一です。タイトルから想像すると、頭がいい人と悪い人を比較している本なのかなと思ってしまいますが、実際には頭が悪い人を毒舌でこけおろしつつ、これはかなりみっともない人だから、そうならないよう注意してください、という著者からのメッセージという内容です。

 

確かに読んでみると、本の中に紹介されているような、みっともない人を見れば、自分はこうなりたくない、こうならないように注意しようと思います。

大山哲は目次を見ただけでも、どんな事がかいてあるのだろうと、ワクワクするような気持ちになりました。一部を紹介すると、「「あなたの周りのバカ上司たち」とか、「他人の権威を笠に着る」とか、「おべっかばかりで自分の意見がない」とか、思わずあるあると頷いてしまうような内容となっています。

読んでみるとさらに面白く、まるであの人みたいと、身近にいる嫌な人の顔が浮かんだという人も少なくないはずです。全体的には頭がいい人の事はほとんど紹介されておらず、頭が悪い人の実例を紹介しつつ、こういう時どうすればいいか、読者が気づかないまま、頭の悪い人になっている場合はどうしたらいいか、というアドバイスも書かれています。

 

自分の事は意外と気づかないものですが、この本を読んでいて大山哲は「人のふり見て我がふり直せ」ということわざが頭に浮かびました。おそらく著者の樋口裕一も、これを言いたかったのではないでしょうか。

実際に本の後書きには、著者自身が話ベタで、上手く話すために周囲の人を見て発見した、悪い例をまとめたと書いてあります。紹介している例には全て実在のモデルがいて、中には著者の事を例にしている部分もあるそうです。

これだけだとただ単に人の悪口を並べただけの本となってしまうところですが、著者は最後に、モデルになった人を馬鹿にしているのではなく、尊敬する人もいるとしています。ただし尊敬する知的な人でも、自分でみっともない事をしてしまう事はある、と結んでいるので最後まで読めば、単なる悪口を並べただけの本ではないという事がお分かりいただけるでしょう。

 

実際にこの本を読んで勉強になる事も多く、気づかされた事も多かったです。皆さんも無意識でみっともない人になっている可能性はあります。そうならないように、「頭がいい人、悪い人の話し方」を読んで反面教師にしてみるのもいいかもしれません。

大山哲のこの一冊!もものかんづめ

女性作家

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もものかんづめ:Amazon

 

こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊はもものかんづめです。

 

著者は、ちびまる子ちゃんでお馴染みの、さくらももこです。漫画家が書いた本という事もあって、最初はあまり期待していなかったのですが、もものかんづめはいい意味で期待を裏切ってくれました。

大山哲は今までにたくさんの本を読んできましたが、これはとにかく面白い本で、読みながら何度も笑わずにはいられなかったくらいです。

 

この本は「もものかんづめ」、「さるのこしかけ」「たいのおかしら」の3部作エッセイになっています。発行されたのは1991年ですが、今の時代に読んでもまったく古臭さを感じさせず、とにかく面白い内容となっているのがすごいと思います。

内容はエッセイだから、さくらももこの日常を綴っているだけなんですが、とにかくなんでこんなに面白いんだろうと、不思議なくらい何気ない日常が面白い人です。

 

もものかんづめには、全部で17のエッセイが書いてありますが、大山哲が気に入ったのは「メルヘン翁」のエピソードです。アニメでもお馴染みの、友蔵爺さんの事を書いていますが、実際の友蔵爺さんは、アニメとは違って、家族に嫌われているズルくて、意地悪なおじいさんだったそうです。友蔵さんは好きなキャラクターだから、少し驚きました。

友蔵爺さんが亡くなった時に、その顔が面白くて、おじいさんの死に顔を見て、お姉さんと2人で大笑いをしてしまったという内容です。一見不謹慎にも思える事ですし、実際に読者からクレームが寄せられたといいます。でもさくらももこは、そんなクレームにも、「読みたくないなら仕方ない」で終わらせてしまいます。

 

本を読んで感じる事は人によって違いますから、死に顔を見て笑うというのが不謹慎と思うのもわかります。でもさくらももこのエッセイとして読んでいる限りでは、実際笑ってしまう人も多いのではないでしょうか。これについてはまだ続きがあって、さくらももこ自身、お爺さんの事は好きではなかったけど、漫画の中の友蔵爺さんの事は好きだと言っています。

 

ちびまる子ちゃんをよく知っている人も、あまりよく知らない人も、さくらももこという人がよくわかる一冊となっているので、是非チェックしていただきたいと思います。ただし、ちびまる子ちゃんとは、ダブらせない方がいいかもしれません。おそらく5年後、10年後にもものかんづめを読んでも、きっと同じように古臭さは感じさせずに、思い切り笑わせてくれる、そんな素敵な本だと思っています。

大山哲のこの一冊!金持ち父さん 貧乏父さん

男性作家

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金持ち父さん 貧乏父さん:Amazon

 

こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊は金持ち父さん 貧乏父さんです。

 

著者はロバート・キヨサキです。名前を見てもわかるように、日系アメリカ人です。ただし日本語よりも英語が得意なようです。金持ち父さん 貧乏父さんは、世界中でベストセラーとなっていたので、読むのを楽しみにしていました。

 

本のタイトルにもなっている金持ち父さん 貧乏父さんの、金持ち父さんは、ロバート・キヨサキの友達のお父さんで、貧乏父さんはロバート・キヨサキの実のお父さんの事です。貧乏な人と金持ちの人では、価値観が違いますが、それを投資に当てはめ、お金の稼ぎ方について紹介している内容となっています。

 

ロバート・キヨサキは、お金を稼ぐには、お金の事について理解する事が大切だと言っています。またこの本を読んだだけで金持ちになれるというのではなく、書いてある事をいかに実践していくかが重要だとしています。これについては大山哲も共感できました。

本の中では、不動産投資の事について紹介されています。ただし不動産投資をするにあたり、資産と負債の違いを知っておく事も重要なのです。不動産投資でマンションやアパートを購入して、家賃収入があれば、働かなくても収入を得る事ができます。これを不労働所得と言いますが、要は金持ちになるには働いて収入を得る事も大切だけど、働かずに収入を得て資産を増やす事ができるという事を伝えたいのです。

 

大山哲がこの本の中で興味深いと思ったのは、「ラットレース」についてです。直訳するとネズミのレースですが、ネズミが回し車を回す様を表す言葉です。回し車は回すだけで、場所を移動する事はなく、永遠と同じ場所で走り続ける事になります。金持ちになるためには、いかにラットレースから抜け出し、不労働所得を得るかがキーポイントとなっています。

一例として家賃収入を紹介しましたが、不労働所得を得る方法は他にもあります。ロバート・キヨサキは、金持ちはお金を得るために働くということを考えずに、お金を動かそうと考えると言っています。もちろんこれもある程度の資産がないとできない事ですが、貧乏な人はお金のために働こうと考えます。

 

こればかりは人により育った環境なども違うので、何とも言えませんが、結論として、資産と負債の違いを正しく理解できる人が金持ちになれると言っています。資産を買うというのも簡単ではありませんが、いつかそうなる日が来ると金持ち父さんになれるのかもしれません。

大山哲のこの一冊!伝える力

男性作家

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伝える力:Amazon

 

こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊は伝える力です。

 

「伝える力」はテレビでもお馴染みの池上彰が書いた本です。大山哲もテレビで度々拝見していますが、この人の話はとてもわかりやすく番組にも夢中になってしまいます。だからその人が書いた本なら面白いに違いないと思い読んでみる事にしました。

 

内容は、簡単に言えばビジネスマンに向けて、伝える力を身につけさせようという感じです。自己啓発本に近いところもありますし、読んでいてもさすが池上彰と思わせるような、わかりやすい解説で飽きる事なく最後まで読めました。

本の中で池上彰は、伝えるというのは言葉で伝えるだけではなく、書く事でも伝えられると言っています。まさにその通りなのですが、ビジネスにおいては最も重要な事と気づかされました。

 

池上彰は昔、子供向けのニュース番組を担当していました。とてもわかりやすく話をしている池上彰をもってしても、子供にはわかりやすく伝える事がとても難しかったそうです。大人はある程度知識があって、話を聞いてから質問を投げかけるけど、子供は全く知識がない状態で、思った事をストレートに口にするから、話している途中にバンバン質問が飛んできてかなり厄介だったと言っています。でもそんな厄介な相手に、きちんとわかりやすく話をして理解させてしまうのだから、やっぱり池上彰はすごいです。

 

この本で大山哲が一番心に残っているのは、人に伝えるためには、自分が深く理解する事が大切というところです。確かになんとなくわかっている事でも、それを人にわかりやすく説明するのはとても難しいです。なんとなくでは相手にもなんとなくしか伝わらないけれど、自分が深く理解している事は、相手に説明する時もきちんと伝えられますから。

全体的にシンプルで分かりやすい構成だから、ビジネスとは関係なく、人に何かを伝える時の伝え方がわからない人にもおすすめです。シンプルな事ほど難しいという事も、この本を読んで強く感じた事です。よく、サルでもわかるというフレーズがありますが、個人的にはこれが一番当てはまるように思います。

 

池上彰の話し方は、とてもわかりやすいだけではなく、丁寧に優しく話しかけます。元々こういう人と思っていましたが、実はいろいろな苦労をされていたという事もわかって、ますます好感度が上がりました。ビジネスだけでなく、実生活にも役立つ事は多いので、幅広い年齢層の人におすすめしたい一冊です。

大山哲のこの一冊!グラスホッパー

男性作家

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グラスホッパー:Amazon

 

こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊はグラスホッパーです。

 

著者は伊坂幸太郎です。角川文庫から出版されていますが、様々なジャンルが盛り込まれた新しい感覚の本という事もあって注目していた一冊です。2008年にはコミック化、2015年には映画化もされています。

 

主人公の鈴木は27歳の中学教師で、妻をひき逃げ事故で失っています。その犯人を追うために仕事を辞め犯人の父親が裏社会で経営している会社に入社するところから、ストーリーが始まります。しかしやっと見つけた犯人は、鈴木の目の前でひき逃げに遭いあっけなく死んでしまいます。これは押し屋の仕業だと知り、鈴木は押し屋を追います。

会社からは息子の敵を討つよう命じられ、鈴木は押し屋を追います。ところが押し屋の自宅には、妻と幼い息子が待っていて、その光景を見た鈴木は戸惑います。鈴木とは別に、自殺専門の殺し屋「鯨」と、ナイフを使う殺し屋「蝉」、それぞれに違う目的で押し屋を追っていました。

 

ストーリーは鈴木、鯨、蝉はそれぞれに主人公となって、展開されていきます。鈴木は妻の敵を討つためにやっと見つけた犯人をあっけなく殺されてしまい、犯人を見つけるためだとは言え入社した会社で、敵の敵を討つよう命ぜられます。大山哲だったらこんなシチュエーションはお断りしたいところですが、その時偶然にも押し屋が鈴木の敵を殺すところを鯨が目撃してしまいます。鯨はこの時ちょうど33人目を片付けようとしているところでした。蝉は裏社会で押し屋の噂を聞きつけ、自分が押し屋を殺せば有名になれるという理由で、押し屋を狙います。

大山哲はこの本を単なる殺し屋世界を描いた作品だと思っていましたが、読んでみるとそれぞれにストーリーがあって、とても面白く、最後まで夢中になって、気づいたら読み終わってしまいました。ハードボイルド作品の印象でしたが、実際にはサスペンスあり、アクションありの盛りだくさんの内容です。

鈴木は真相を突き止めるために、押し屋に近づき、なんと押し屋の息子の家庭教師となってしまいます。だんだんと押し屋一家に近づいて行くうちに心を許しますが、別の押し屋が迫って来るために鈴木は身を隠します。

 

ストーリーのベースは裏社会とか殺し屋という、何ともダークな世界ですが、小説として読む分にはとてもライトで読みやすい面白い一冊でした。こういうテーマでも全く重苦しさを感じさせないところが、伊坂幸太郎らしいと思わずにはいられませんでした。

大山哲のこの一冊!きよしこ

男性作家

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きよしこ:Amazon

 

こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊はきよしこです。

 

著者は重松清です。「きよしこ」は、吃音がある少年「きよし」が主人公です。ここでピンと来た方もいるかもしれませんが、大山哲は著者と主人公の名前が同じ事に気づきました。それもそのはず、この本は著者の少年時代を描いているのです。

 

きよしは転校生です。いつも1人なのは、吃音があるので言いたい事がうまく言えなかったからです。吃音はカ行やタ行、濁音がうまく発音できないため、きよしは自己紹介の時に自分の名前を言うのがすごく嫌だったのです。他の言葉にできるところはなんとかやり過ごしていたけど、自分の名前だけは他の言葉を使えずに、黙り込むしかありませんでした。

こうして言いたい事はたくさんあるのに言えない、という悩みを抱え込んでいきます。でも本当は友達がほしかったきよし、そんな時夢の中に出てくる友達を話をする事で紛らわせていました。そんな日々を過ごしていたきよしは、クリスマスの日に「きよしこ」という少年と出会います。

きよしこは、きよしに「ほんとうに伝えたいことだったら伝わるよ、きっと」と言葉を投げかけてくれます。自身が体験した事を通して、同じ悩みを持つ人に伝えたい言葉だったのかもしれません。大山哲は、とても重みがあって深い言葉だと思いました。

 

きよしこは、全部で7つのエピソードが書かれています。全てきよしの事を書いています。きよしこはプロローグで、吃音のきよしでも言いたい事を言える友達の話。

「乗換案内」は、きよしが吃音矯正プログラムで出会う、同じ吃音を持つ加藤君とのおはなしです。「どんぐりころころ」は、転校生のきよしは自己紹介で失敗します。そんな時出会ったアル中のおじさんとの出会いと別れを描いています。「北風ぴゅう太」は、クラスの先生と、小学校卒業前日に行われるお別れ会と、お別れ会で演じる演劇の話です。「ゲルマ」は中学2年に転校した先で初めて出来た親友ゲルマと、その友達ギンショウときよしの友情物語です。「交差点」は、きよしが中3の夏に転校した学校で、出会う友達との物語です。「東京」はきよしが大学入試を控えている時に付き合っていた彼女「ワッチ」とのエピソードを綴っています。

 

どれもとても温かくてちょっぴり切ないストーリーです。でも不思議と読んだ後はほっこりするそんな一冊です。吃音の事を知らない人にも読んで頂きたいと思います。
表紙の目深に帽子をかぶり、少し恥ずかしそうにしている少年がとても印象的です。

大山哲のこの一冊!火車

女性作家

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こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊は火車です。

 

著者は宮部みゆきです。火車と書いて「かしゃ」と読みます。大山哲は何故このタイトルなのかがすごく気になりました。でもそれは読んでいけばすぐにわかります。簡単に行ってしまうと、カードローンの多重債務者となった女性・彰子を取り巻く人々の話です。

 

彰子には和也という婚約者がいて、ある時2人で買い物に出かけた時に、クレジットカードを持っていない彰子に、和也は便利だからとカードを作るようにすすめます。しかし審査の時にかつて彰子が自己破産をしていた事が発覚します。理由を問い詰められた彰子は失踪してしまうところからストーリーが始まります。

刑事の本間は、犯人逮捕の時に怪我を負い休職中でした。和也は本間の亡くなった妻の親戚であり、彰子の失踪をきっかけに本間に探して欲しいと願い出ます。休職中だから警察手帳は無いものの、本間は彰子探しの依頼を引き受けます。刑事とは名乗らず雑誌記者として、彰子の行方を探しているうちに、徐々に彰子の過去が明らかになっていきます。

しかし本間が探し当てた彰子は「関根彰子」という名前である事がわかりますが、和也が知る彰子とは似ても似つかぬ別人でした。和也はこの時、自分の知る彰子は関根彰子になりすました別人だと疑いを持ちます。

 

今でもカード破産や多重債務は起こっていますが、火車で描かれている時代は今のように簡単に自己破産ができませんでした。自己破産をするか自殺をするかという究極の選択を迫られるという時代だった事も、ストーリーの緊張感を盛り立てているように感じます。

大山哲は、この本を読んでいてカードローンに対するイメージも、今と昔では全然違うけれど、簡単に借りられてしまう事ほど怖い事は無いと思えて仕方ありませんでした。読み進めていくうちになんとなく結末がわかってくるのですが、それでも最後まで夢中になって読んでしまいました。

 

結論から言うと和也の知っていた彰子は、別人だったわけですが、何故別人になりすましたのか、何故そうしなければいけなかったのか、何故彼女をそこまでさせてしまったのかがわかると、共感できる部分も多いです。

途中は謎解きのような部分もあって、とても楽しくワクワクしながら読めましたが、内容自体はカードローン地獄を題材にしているので、重い部分もあります。途中はすごく臨場感があっただけに、ラストがあっけなかったのが個人的には少しだけ残念でした。