大山哲と本。

大山哲。本が大好きです。オススメの本や読みやすい本を紹介していきます。

大山哲のこの一冊!世界から猫が消えたなら

こんにちは。大山哲が選ぶ今日の一冊は世界から猫が消えたならです。


川村元気の著作であり、LINE連載小説という世界初となるスタイルで発表された連載小説になります。後に書籍化して70万部を突破してベストセラーとなり、2013年には本屋大賞ノミネートされて8位になりました。


また同年にはラジオドラマ化され、2016年に実写映画化されるなどメディア化が進んでいます。


ストーリーは1匹の猫と暮らす郵便配達員が主人公となっていて、余命宣告を受けた最後の一週間のストーリーになります。

ポイントはドキュメンタリータイプではなく、ファンタジックなイメージが強くなっているのが特徴です。

主人公の前にアロハシャツ姿の陽気な悪魔が現れて、この世からものをひとつ消せば一日生き延びることができると取引を持ちかけてきます。

 

主人公はまず電話を消すことにして、その前に一度だけ使用を許可された昔の恋人にかけると、懐かしい思い出がよみがえります。

次は映画、時計とひとつずつものを消して一日を生き伸びていきます。

 

さらに悪魔から猫を消すことを告げられるのですが、実際に愛猫がいなくなって探していくうちに自分にとっての大切なものが見えてくるのです。 

あらゆるものや情報が氾濫している現在において、自分にとって本当の幸せや大切なものを見失ってしまう人が多いでしょう。


死という絶対的な最後を迎えるにあたって、自らの延命と引き換えに世界から消されていく存在にも、それぞれの思い出が宿る大切なものです。

物語のような事柄が現実に起こるとは思えませんが、時には本を片手に自分自身について考えてみるのもよいでしょう。


元がLINE小説ということで読みやすく、長編が苦手な人も無理なく読むことができると思います。