大山哲と本。

大山哲。本が大好きです。オススメの本や読みやすい本を紹介していきます。

大山哲のこの一冊!精霊の守り人

こんにちは。大山哲が選ぶ今日の一冊は精霊の守り人です。


ラジオドラマ、アニメ、実写のドラマにもなっているので作品の名前は知っている方が多いと思います。


作者の上橋菜穂子さんは、子供時代からおばあちゃんに民話を聞かされて育ったそうです。

また、おばあちゃんが住んでいた場所が野尻湖にも近かったそうで、ナウマン象の化石の発見や、彼女自身が見つけた縄文土器のかけらなど、過去の文明や歴史に対するロマンは子供のころから育まれていたようです。


そのため、1989年に児童文学作家としてデビューしたときも、「精霊の木」という子供向けでありながら、日本の古代をテーマにした作品を上梓しています。

1996年に発表した精霊の守り人は、そんな流れを汲んで上梓した架空の国のファンタジー作品で、児童向けの作品でしたが、その世界観の壮大さと物語のすばらしさに広い読者層を獲得し人気のシリーズとなりました。

このシリーズは、登場人物の視点を変えながら2012年までに12作品を上梓しています。


大山哲は、やはり、最初の精霊の守り人が一番好きです。

なぜなら、この世界に初めて踏み込んだ感動があまりに強烈だったからです。

やむをえない事情からカンバル王国の王を暗殺した親を持ち、用心棒へと育ったバルサが、川で少年(新ヨゴ国の第二王子:チャグム)を助けたことから始まる冒険の物語では、土の民や水の民のように普段見ることのできない世界(ナユグ)と常に一緒にある世界が描かれています。

助けられたチャグムがその世界を見ることができるようになる過程での成長とシンクロするように、それを守る用心棒のバルサもカルバン王国での地位をすて自分をかくまい続けてくれたジグロとの関係の本当の意味を理解していく姿が話しの奥行きを作り上げています。
一方で、新ヨゴ国でも様々な陰謀が張り巡らされており、チャグムを殺そうとする王と、必死に守ろうとするチャグムの母の二ノ妃、そして、話の展開とともに明かされる新ヨゴ国の真実の物語が、話に様々な伏線を作りミステリーにも近い複雑さを生み出しています。

ワクワク感を残したいので、ネタバレにならないようにしたいのですが、シュガとトロガイの話は注意深く読むことをお勧めします。
精霊の守り人は、テレビでもドラマ化されています。

バルサの設定が変わったりと原作からは様々な変更があるのですが、作者の上橋菜穂子さんは、インタビュー記事で、「その方が面白い!作品がどういう風に変わるのか?どうやって視聴者を納得させるのか?原作者としてもワクワクする」と言う趣旨の発言をしています。

確かに大山哲も、原作と併せて見ると2度面白いと思います。