大山哲のこの一冊!横道世之介
こんにちは。
大山哲が選ぶ今日の一冊は横道世之介です。
吉田修一さんの作品で、もともとは新聞に連載されていた小説で、大山哲は連載当時から読んでいました。
とても印象的だったので、連載終了後に単行本が出版されたときもすぐ買って読んだほど好きな作品です。
横道世之介は、作品のタイトルであると同時に主人公の名前でもあります。
長崎出身の世之介が、大学進学のために東京に出てきて、大学1年生のときの1年間にいろいろな人と過ごす様子が描かれます。一言でいえば青春群像劇です。
世之介は主人公ですが、特別カッコイイとか高い能力があるタイプではありません。むしろ普通な人です。そんな世之介が、大学生活を通じて個性的な男女と出会います。物語の展開として面白いのは、だいぶ先の未来の話も描かれるところです。
その未来の部分では世之介は登場しませんが、大学1年生の世之介と出会った男女のその後が描かれます。
世之介との出会いによって男女の生活環境は変化しているのですが、世之介のことはあまり覚えていない人もいます。世之介がいる大学1年生のときと、世之介がいない未来を行き来する展開が面白く、長い小説なのに長さを感じさせない読みやすさが特徴です。
余韻が残る読後感で、かなりおすすめできる一冊です。横道世之介は実写映画にもなっていますので、そちらもおすすめできます。
大山哲も日々いろいろな人と会っていますし、これからも新しい出会いがあると思います。
たとえ短期間の交流だったとしても、相手にいい影響を与えられたらなと思ってしまいました。
また、大山哲自身もこれまでに会ってきた人たちからいろいろ影響を受けているわけで、ちょっとした出会いにも感謝したいなと思っています。