読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

大山哲と本。

大山哲。本が大好きです。オススメの本や読みやすい本を紹介していきます。

大山哲の今日の一冊!白銀ジャック

白銀ジャック:Amazon

f:id:ooyamasatoshii:20161109134539j:plain

 

こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊は白銀ジャックです。

日本を代表する世界的俳優主演と豪華キャストの映画でも話題を呼んだ、東野圭吾氏ならではの本格派推理小説です。

 

舞台は主人公の倉田玲司の勤務先のスキー場に、ゲレンデの一部を爆破するとの脅迫メールが着信するところからストーリーの幕が上がります。
社長の筧の判断で警察へは通報せず、複数回に分けて届く犯人からの金銭要求に従いつつ、メールの解析作業から少しずつ犯人像を絞り込んで行く流れは、こうした方面に疎い私でもテンションが上がりました。
そして次第に浮かび上がって来た、このゲレンデで過去に生じたある事件、そしてラストで明かされる複雑な背景など、この作品でも東野氏ならではの複雑な展開が、私達読者の目と心を捉えて離しません。

 

推理小説なるジャンルはその総称通り、読者が物語の一言一句をヒントに、以下に結末を推察出来るのか、一方作者はそれをどこまで見事に裏切り、なおかつ読者を納得させるのか、双方の緊張感が不可欠なジャンルだと、私、大山哲は常日頃から捉えています。
ラストのどんでん返しがあまりに突飛過ぎれば、読者からすれば「意味不明な駄作」と映り兼ねず、ありきたり過ぎる結末では語る迄もありません。
何百ページも前に描かれた些細なワンシーンが糸口となり、最後の真相解明に繋がって行くからこそ、私達は「そう来るのか」「見事にヤラれました」なる満足感に包まれると思っています。


東野氏の作品はいずれも、こうした部分で突出した完成度を誇るからこそ、数多くの「東野ファン」を増やし続けているのでしょう。

同作品はスキー場という冬季限定で利益を確保から、経営母体として企業を維持して行かねばならぬ難しさと、レジャー施設故に避けられぬ事故のリスクなど、極めて現実的な着眼点から描かれています。
正直経営者としては素人で、スキーなどアウトドアスポーツとも縁遠い私ですが、この作品をキッカケに、大袈裟で無くこれらの施設を見る目が変わった気がしています。
犯人探しの他にも、読み終えた後に色々と考えさせてくれる作品です。


先に映画をご覧になられた方々のご記憶の中には、スクリーンに展開されたダイナミックな映像が印章に強いかと思いますが、ぜひ今度は原作でストーリーをより深く辿られる事をオススメします。

主人公の倉田の職責に賭ける責任感と、何より1人の人間として諸々に対峙する真摯な姿勢など、ページを読み進めるに連れ、新たな気づきが皆さんを待っているに違いありません。