大山哲のこの一冊!蛇にピアス
こんにちは。
大山哲が選ぶ今日の一冊は蛇にピアスです。
著者は金原ひとみです。金原ひとみのデビュー作にして、刺青、セックス、DV、そしてタイトルにもなっているピアスをデリケートゾーンにも入れているという衝撃的な内容が話題となった作品です。
過激な内容が話題になっただけでなく、第27回すばる文学賞受賞、第130回芥川賞を受賞している事からもわかるように、実力が認められている作家の作品という事もあって、大山哲はとても読みたかった一冊です。
登場人物は舌に二股の切れ目を入れるスプリットタンなど、身体改造に興味がある「ルイ」。ルイと同棲中で、既にスプリットタンをしていて、顔中にピアスや、派手な刺青をするなど、身体改造においてはルイよりも進んでいる「アマ」。身体改造店のオーナー「シバさん」は、スプリットタンはしていないが、ピアスの量は誰よりも多く、見た目もかなり激しい人で、本名は柴田キヅキです。
ストーリーは、ルイを中心に展開されていきます。「スプリットタンって知ってる」と自分の舌を見せたアマに、ルイは惹かれていき交際します。人体改造に興味を持っているルイは、身体改造店のオーナーであるシバとも関係を持ってしまいます。
リアルの世界にこういう人物がいたら、大山哲は正直敬遠してしまうかもしれませんが、ここは本の中の世界だから、冷静に読み進む事が出来ました。そういえば少し前にCSの海外ドラマで人体改造をテーマにしたストーリーがありました。海外の場合はピアスや刺青だけでなく、頭に角を付けたり耳を尖らせたりするなど、かなり過激な人体改造をしています。これに比べるとまだ可愛い気もしますが、日本では十分過激な部類です。
この話にはSMという部分も登場します。本の中にはかなり過激な性描写も登場しますので、好みが大きく分かれるかもしれません。ルイは元々人体改造に興味を持っていたので、スプリットタンも抵抗なくやってしまいます。その後は刺青にハマっていきます。
よく刺青を1つ入れると、次から次に入れたくなると言いますが、こういう人は潜在的に、人体改造にも興味があるのかもしれません。ストーリー的にはかなりヘビーで重いイメージですが、純粋に本として読む分にはとても読み応えがあり面白いストーリーだと思います。
好みが大きく分かれるため、賛否両論はありますが、話題作としては十分読む価値がある一冊だと思います。個人的にはアマが殺されてしまうのが残念でした。