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大山哲と本。

大山哲。本が大好きです。オススメの本や読みやすい本を紹介していきます。

大山哲のこの一冊!流

男性作家

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流:Amazon

 

こんにちは。

大山哲が選ぶ今日の一冊は流です。

 

著者は、東山彰良です。第153回直木賞ノミネート作品という事でも話題になりました。1970年代の台湾を舞台にストーリーが展開されていきます。著者の東山彰良は台湾生まれの日本育ちだそうです。

 

主人公の葉秋生には、葉尊麟という祖父がいます。家族には厳しい祖父でしたが、なぜか主人公だけには優しく、主人公は祖父をとても愛し尊敬していました。しかしその祖父は何者かに殺害されてしまいます。実は祖父には大戦中に匪賊として、多くの村人を惨殺していたという過去があります。祖父が生きている時も、家族は皆祖父を悪く言っていました。それでも主人公は大好きだった祖父を殺した犯人を捜す事を選びそのために、波乱万丈の人生を送る事になります。

その途中には、主人公が身代わり受験をして逮捕されるというアクシデントがあったり、いつの間にか不良になっていたりします。喧嘩で生傷が絶えない中、いつしか鉄の定規を削り作った刀を持ち歩くようになります。喧嘩がエスカレートして収拾がつかなくなった時、主人公自らが定規の刀を大腿に叩きつけるというショッキングなシーンも登場します。この他にもカーチェイスや幽霊など、いろいろなシチュエーションがあるから、最後まで飽きずに読む事ができました。

 

紆余曲折ありながらも、充実した青春時代を過ごした主人公は、祖父の遺品から1枚の家族写真を見つけ、それをきっかけにルーツを探るために日本にいきます。

こうして紹介していると、なんだかとても壮大なスケールで、小難しい話に聞こえるかもしれませんが、大山哲としてはとても読みやすく、起承転結もハッキリとしていて、最後まで楽しく読めたところが気に入っています。

青春物のようで、大河作品のようで、推理やミステリーなども織り交ぜながら、ファンタジーな部分もある、読者を飽きさせない作品です。その一方で台湾を舞台にしている事から、少し重いイメージもありますが、読んでみるとそれほど重々しさはなく、幅広い世代の人が読める本だと思います。

その証拠に第153回の直木賞作品となっています。あえてジャンル分けするなら、かなりの大作となりますが、読みやすいし読んだ後も心に残るシーンやセリフが多い見事な作品です。

 

秋は読書にいい季節といいますが、流は秋にゆっくり読むのにおすすめの一冊です。ちなみに大山哲は、この本を読んでみて、いつか機会があったら自分のルーツを探ってみたいと思うようになりました。