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大山哲と本。

大山哲。本が大好きです。オススメの本や読みやすい本を紹介していきます。

大山哲の今日の一冊!ノルウェイの森

こんにちは。大山哲が選ぶ今日の一冊はノルウェイの森です。

 

ノルウェイの森:Amazon

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あまりにも有名過ぎる作品のご紹介に、数え切れない方々から「もうとっくに読んでるよ」との声が一斉に届きそうですね。

 

書店に山積みされた表紙の赤と緑を、瞬時に思い出された方々も数え切れない事でしょう。


それでもここはどうぞ、大山哲の話におつきあいいただければ幸いです。

作者の村上春樹氏のお名前とイコールで捉えられる、彼の代表作と言えるこの長編小説は、中心的登場人物の「僕」「直子」「みどり」視点で綴られています。


学生時代に「友人など要らない」と思っていた「僕」の唯一の友達の「キヅキ」のガールフレンドが「直子」で、不思議と彼女は「僕」を交えた3人で過ごす時間を好む女の子。


結果「キヅキ」が「僕」と「直子」の通訳的役割を自然と担う、そんな不思議な関係が続く中、17歳のキヅキは自殺を図ってしまうところから、物語は時系列にそって展開して行きます。


ショッキングな現実から逃げきれぬ中、一方で「僕」はその後、大学で1歳下の「みどり」と知り合い、少しずつ人間関係の輪が広がって行きます。

 

青春時代の友人関係あるいは恋愛関係らしき男女間を思い返す時、実はこうした三角関係とはまた違う、それぞれの距離感は決して珍しくないと思います。
そんな「実は極めて身近な場面設定」が、読者がスッとこの作品の世界の登場人物に同化出来る、大きな1つの理由でしょう。


私が村上春樹氏の作品に共通して感じているのが、いわゆるこの「適度なあるある感」に他なりません。
自身の体験こそ無くとも、極めて身近に現実に生じていても全く不思議ではない数々の出来事や、登場人物達の心象風景は、実は目と鼻の先のリアルな世界そのものに違いありません。


この絶妙の距離感に位置する世界が、私達を優しく誘うからこそ、発売を待ち切れずに深夜書店に大勢のファンが並ぶ「あの現象」に繋がって行くのでしょう。

ちなみに私の知人の中には、敢えて「超話題作は読まない」を頑なに実践している読書ファンが何人か思い当たります。


情報社会のこの世の中、程無く関連情報が飛び交い溢れ返ります。


ある種のあまのじゃくですが、彼等に言わせれば「大衆に右へ倣えの読書は自分のスタイルでは無い」らしく、それでも同作品をこの拘りだけでスルーするのは、流石に勿体無さ過ぎます。

 

ちなみに物語は「僕」が「みどり」にある感謝の言葉を伝えるところでエンディングを迎えます。


淡々と進む物語ですが、私は最後まで全く退屈を感じませんでした。


何となく世間の話題に影響されて手にされた方々も、読み終えられた際に同じ感想を抱き、今度は自身の意思で村上春樹ファンになられている事でしょう。
赤と青の二色の表紙が誘う世界へ、ぜひ感性の歩を進めてみてください。