大山哲と本。

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大山哲のこの一冊!生存者ゼロ

こんにちは。大山哲が選ぶ今日の一冊は生存者ゼロです。


今作品は、ある石油採掘基地で発見された無残な死体をきっかけにはじまるサスペンスとパニックを描いています。


私がこの作品に関心を持ったのは、記憶にも新しい西アフリカで流行したエボラ出血熱でした。
エボラ出血熱は、国境なき医師団や各国政府が支援したかいもあり、発生から1年以上を経た2015年5月頃になって、ようやく落ち着きを取り戻しましたが、現地の方や治療に関わった医療関係者が感染し死亡するなど、大きな犠牲を払いました。


物語は、北海道根室半島沖にある石油採掘基地からの連絡が取れなくなったことから始まります。


政府は、連絡が途絶えた原因としてテロの可能性があると判断し、海上自衛隊護衛艦が現地へ派遣されることになります。
それに先んじて現地の情報を収集するため、偵察部隊として急派された陸上自衛隊三等陸佐の廻田は、石油採掘施設内に無残な死体が転がっているのを発見するのです。


政府は死体の状況からウィルスによる集団死事件と判断し、元感染症学者である富樫を現地へ送り込みます。
廻田は富樫や防衛医大医師の伊波、女性昆虫学者の弓削などと協力し、未知のウィルスが炭疽菌と似ていることを発見、事態が急を要することを知るのでした。
しかし、問題を先送りし責任を回避しようとする首相や政党同士の駆け引きなど、中心となるべき政治はガタガタで頼りになりません。
最初の事件から9ヶ月後、北海道標津郡にウィルスが襲います。


パニックに陥り北海道から避難しようとする道民たち、無策で国際的に孤立する日本、原因はウィルスなのか、それとも全く別の何かなのか、サスペンスパニックがスピーディーに展開していきます。


3.11で発生した原発事故での日本政府の対応のまずさ、エボラ出血熱でのパニックをほうふつとさせるストーリーをご堪能ください。