大山哲のこの一冊!鴨川食堂
こんにちは。大山哲が選ぶ今日の一冊は鴨川食堂です。
この本は、京都発の思い出の味を探せる本です。
昔食べた美味しいだけじゃなくて懐かしくて人の愛情が入っている温かい味、そんな味をこの鴨川食堂では感じます。
大山哲は、料理のリアルさに注目しました。読んでいるだけでもよだれが出そうなくらいとてもリアルな描写が描かれている本なのです。
またこの本はただの料理本ではありません。
大山哲の一番のおすすめは、思い出の味というところです。
人には様々な思い出の味があります。大好きだった奥さんが生前作ってくれた鍋焼きうどん、昔受験の時に夜に勉強しているとお母さんが作ってくれたうどんやお父さんが握ってくれたおにぎり・・・思い出とともに料理の味が存在しているのです。
この作品ではそれがよりリアルに描かれていると思います。時が経つにれて忘れてしまっていたけれど、少し辛いことが有ったときに、ふとした瞬間に、思い出した料理の味は人を励ましたり、時にその料理を口にすることでその時の懐かしくてうれしい気持ちまで思い出されます。
この鴨川食堂では、それがとてもリアルになおかつ読者に伝わりやすく描かれています。登場人物たちは、住んでいる場所も年齢も性別もバラバラですが、何か悩みを抱えていて昔食べた懐かしい料理の味を思い出すためにこの鴨川食堂に出会うのです。
このような描写は、とても現実味が溢れていて現実にもこの鴨川食堂があるといいのにな・・・と思わされます。
この物語の登場人物たちのように現代の社会でも悩みを抱えている多くの人がいます。
その人たちには、とても共感できる作品だといえます。
そして同時にそんな人たちを励ますことが出来る作品でもあるのです。